2011.12.7 ドイツ放射線防護協会からの警告
昨年の11月に、ドイツ放射線防護協会の会長 セバスティアン・プフルークバイル博士が、日本政府の食品がれき処理の希釈処理は国際合意違反と警告しています。その全文を紹介します。
-----------------(以下、その全文)------------------------
December 7th, 2011
【プレスリリース】
ドイツ放射線防護協会より:放射線防護の基本規則は、福島原発事故後も無視されてはならない。
ドイツ放射線防護協会は問う:原子力利用と引きかえにどれだけの死亡と疾病を許容するのか?
放射線防護の国際的合意として、特殊措置をとることを避けるために、汚染された食品や廃棄物を、汚染されていないものと混ぜて「危険でない」とすることは禁止されている。
日本政府は現在、食品について、および地震・原発事故・津波被災地からのがれき処理について、この希釈禁止合意に違反している。ドイツ放射線防護協会はこの「希釈政策」を至急撤回するよう勧告する。撤回されない場合、すべての日本の市民が、知らぬ間に東京電力福島第一原子力発電所事故の「二次汚染」にさらされることになるだろう。空間的に隔離し、安全を確保し、管理された廃棄物集積所でなければ、防護策は困難である。「汚染を希釈された」食品についても同様である。現在の汚染がれきおよび食品への対応では、日本市民に健康被害が広がってしまうだろう。
日本ですでに始まっている汚染がれきの各県への配分、焼却、および焼却灰の海岸埋め立て等への利用は、放射線防護の観点から言えば重大な過ちである。 焼却場の煙突から、あるいは海洋投棄される汚染焼却灰から、がれき中の放射性物質は必然的に環境に放出される。ドイツ放射線防護協会は、この計画の至急撤回を勧告する。
チェルノブイリ事故後ドイツでの数々の研究により、胎児や乳幼児が以前の想定よりはるかに放射線影響を受けやすいことが明らかとなっている。
乳幼児の死亡率、先天障害、女児出生率の低下など、チェルノブイリ後の西ヨーロッパで明らかな変化が確認されている、すなわち、低量あるいはごく微量の追加放射線によって数万人の子どもが影響を受けているのである。さらに、ドイツの原発周辺における幼児のがんや白血病についての研究でも、微量の追加放射線でも子どもたちに健康被害を与えうることが示されている。
ドイツ放射線防護協会は、少なくとも妊婦と子どものいる家庭について、現在の避難地域より広い範囲で至急の避難・疎開が支援されなければならないと強く警告する。われわれは同時に、子どもに年間20 ミリシーベルトの被曝を強要することは悲劇的な過ちであると考える。日本政府は、現在の避難基準になっている年20ミリシーベルトを直ちに撤回するべきである。
日本での現行の食品中放射性物質暫定基準値は、商業と農業を損失から守るためのものであり、人々を被曝から防護するためのものではない。ドイツ放射線防御協会は、この基準値が、日本政府ががん死亡者数、がん発症者数の甚大な増加、およびその他のあらゆる健康障害の著しい蔓延を許容する姿勢であることを意味するとして、厳しく指摘する。
このようなやり方で自国民の健康を踏みにじることは、いかなる政府にも許されない。当協会は、原子力エネルギー利用のもたらす利益と引き換えに、果たして日本社会がどれだけの死者と病人を受容できる準備があるのかについて、全国民参加による公開の議論が絶対不可欠であると考える。
このような議論が必要なのは、日本だけではない、これまで原子力ビジネスと政治的思惑によって阻まれてきた、世界のすべての国々において必要なのである。
ドイツ放射線防護協会は、日本の皆さんに強く訴える:できるだけ、専門知識を身につけるよう努めてください。そして、食品における基準値の大幅な低減と、厳密な食品検査を要求するのです。すでに各地に開設されている市民測定所を支援してください。
ドイツ放射線防護協会は、日本の専門家の皆さんに訴える:日本の市民のサイドに立ち、放射能とはどんなものか、どのような障害をもたらしうるものであるかを、市民に説明してください。
ドイツ放射線防護協会
会長 セバスティアン・プフルークバイル(博士)
(翻訳、下線:FoE Japan)
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コメント
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今日の長周新聞に峠三吉原爆詩集から三編の詩が掲載されていました。
それで思い出して蔵書のうちから峠三吉原爆詩集*を引っ張り出して読んでみると被爆直後の植民地化された日本が驚くほどすべてが今現在の日本の姿と生き写しです。詩人の鋭い感性に驚嘆落涙しました。
峠三吉原爆詩集
>>http://www.aozora.gr.jp/cards/001053/files/4963_16055.html
*峠三吉原爆詩集 『すべての声は訴える』の完全版収録
1945年8月6日、広島に投下された原子爆弾により命を奪われた人、また現在にいたるまで死の恐怖と苦痛にさいなまれつつある人、そして生きているかぎり憂悶と悲しみを消すよしもない人、さらに全世界の原子爆弾を憎悪する人々に捧ぐ (峠三吉)
序/八月六日/死/炎/盲目/仮繃帯所にて/眼/倉庫の記録/
としとったお母さん/炎の季節/すべての声は訴える など23編を収録
発行・下関原爆展事務局 B5判 119頁
>>http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/tougesannkitigennbakusisyuu111.htm
投稿: 通りがけ | 2012年8月 8日 (水) 17時24分
各外国政府に日本の狂った政策を伝えるべきでしょう
英語が得意な方、ぜひお願いします!!
全世界が日本からの輸出は一切買わないとなれば、さすがにゴミ政府も考え直すでしょう
投稿: 日本人A | 2012年8月 9日 (木) 02時15分